萩原健一がマカロニ刑事の殉職を望んだ理由は傷だらけの天使の為?
あの強烈な俳優・ショーケンこと萩原健一さんがお亡くなりになってしまいました。グループサウンズのテンプターズで熱狂的ブームを巻き起こした後、俳優に転身。「太陽にほえろ」「傷だらけの天使」「前略おふくろ様」「誘拐報道」など数々ドラマ・映画で圧倒的な存在感を残しましたね。管理人もショック大です。追悼で過去作品を見直したいと思ってます。
今回はそんな出演作品の中から、刑事ドラマの草分けといも言える伝説的ドラマ「太陽にほえろ」のマカロニ刑事について語ります。青年刑事役として抜擢され人気も上昇してきたのに僅か1年で殉職。これは番組サイドからではなくショーケンの強い希望だったそうです。何故なのか?その背景にせまりました。
太陽にほえろと萩原健一扮するマカロニ刑事
太陽にほえろは刑事ドラマの金字塔ともいえるドラマです。それまでの刑事ドラマといえば、事件中心に話がすすみ刑事と言えば単なる物語の進行役といったポジションでした。太陽にほえろは初めて刑事自身にニックネームや個性的なキャラクターを与えて刑事が主役のドラマとして大ヒットとなりました。管理人もめっちゃハマって毎週楽しみにしてましたね。
1972年から15年間にわたり放送されて現在の刑事ドラマの基本形ともいえますよね。そこで開始当初から青年刑事・早見淳(はやみじゅん)通称:マカロニとして出演しました。警官としての職務を全うするよりも罪を犯さざるを得なかった犯罪者に心を寄せてしまったり、やる事が型破りでしばしば周りと衝突する役でしたが、若かりしショーケンの頼りないルックスともマッチしてすぐに人気キャラとなりました。
ショーケン萩原健一の強い要望でマカロニは1年で殉職
当初、製作サイドはマカロニ刑事を主役として青年刑事・早見淳の成長物語を描こうとしていました。ところが萩原健一自身が強く降板を申し入れました。何故か?
それはショーケン自身がマカロニ刑事のイメージが強く固定されてしまうと今後の俳優活動に制限がかかってしまうと考えたからです。1年で太陽にほえろを卒業して色んな役柄に挑戦しようと降板を申し入れました。
製作側も人気キャラクターを降板させるわけにはいかず総力をあげてショーケンを説得し、妥協案として休職のちに復帰というシナリオも提案しましたが、ショーケンはかたくなに拒否。「二度と復帰できないように殉職させてくれ」「それもできるだけカッコ悪く」
結果、石塚刑事 通称:ゴリさんのお見舞いの帰り、立ち小便が終わったところを物取りの子悪党に刺されて落命するという衝撃の最後を迎えました。凶器はナイフでもなく小型アイロンでした。捜査中ではないため正確に言うと殉職でもありません。
その後任として配属されたのが柴田淳 通称:ジーパン刑事を演じる松田優作でした。こうして若手俳優が演じる青年刑事が殉職のたびに配属されるという黄金パターンが確率されました。
傷だらけの天使でさらに演技の幅を広げたショーケン
その翌年、主演ドラマ「傷だらけの天使」では「仁義なき戦い」シリーズで絶好調の深作欣二監督や日活の神代辰巳監督など映画監督に演出を任せ、売れてなかった水谷豊を抜擢して太陽にほえろではできなかった映画の手法でコミカルだけど切ない独特の世界を作り上げました。
あのオープニング映像と「兄貴~」「あきら~」のやり取りが強烈に残ってますね。太陽にほえろを1年で降板し、傷だらけの天使を造ったからこそ、その後の凄みのある演技が確立されていったんでしょうね。
あーまた観たくなってきた。ご冥福をお祈りします。