関電の金品授受問題をわかりやすくまとめ!森山氏が恐れられたのは何故?
関西電力(関電)の幹部たちが原発の密集地、福井県高浜町の地元有力者から莫大な額の金品を受け取っていたという不祥事が発覚しました。原発関連事業史上過去最大の不祥事と言われている関西電力金品受領問題についてわかりやすく、ざっくりとまとめてみました。
関西電力金品受領問題の概要は?
関西電力の八木誠会長、岩根茂樹社長を含む幹部20人が2011年から2018年までの7年間に総額3憶2千万円相当の金品を高浜町の元助役森山栄治氏から受け取っていたという問題が9月末に発覚し批判が集まっています。
ポイントはこの尋常ではない額の金品をなぜ幹部たちは拒否せず受け取って保管していたのか?というところですね。もらったのではなく保管というのは返そうとしたけど、受け取りを拒まれたのでしょうがなく保管していたというのが理由だそうです。
関電の説明では「(森山氏は)地元の有力者で、助言や協力をいただいた。関係が悪化すると(原発)事業に悪影響が出ると思い返せなかった。」受け取りを拒むと森山氏は激高し恫喝されることもあったといいます。
森山氏は何故恐れられた?どうして発覚したの?
森山氏は過疎化が進み、企業誘致にも苦戦していた高浜町に原発を誘致した有力者として天皇と呼ばれるほど力を持っていたといわれています。歯向かう者には高圧的な態度をとり、関電社内では「M」と呼び警戒することもあったそうです。
金品の受け取りを断っても無理やりカバンのなかにねじ込んでくる。怖いと言っていた関電関係者もいたそうですね。日本の基幹産業である関電がなぜ一個人をそこまで恐れたのか、今後明らかになってくる部分もあるでしょう。
森山氏が関電に提供した約3億円は原発関連工事の受注手数料として土木関連会社吉田開発に出させたものでした。
その吉田開発に昨年、金沢国税局が税務調査に入りました。この調査で森山氏への資金の流れが明らかになり、さらに森山氏の手帳から関電への金の流れを記したメモがみつかり発覚しました。
この不祥事のポイントは?今後の展開は?
吉田開発→森山元助役→関電という図式は結果的に原発工事をめぐるお金が地元業者から元助役を介して発注元の関電に還流しているということではないかという点。還流とはざっくり言うとお金が元あったところに戻ってくることです。関電が工事を発注しても森山元助役から結果的に戻っているじゃないかという批判です。
かつては日産の元CEOゴーン氏も海外販売会社から自分の口座へ入金させ資金の還流をしていましたね。
もうひとつは今回の不祥事が犯罪として立件できるのかという点です。可能性としては収賄罪もしくは特別背任罪が問われそうですが、金品を贈った側(贈賄側)の供述がないと難しいそうです。森山氏は今年3月に亡くなっていますので立件は厳しいかもしれません。
当初の会見では社会通念から大きく逸脱した額の金品を受領した、その張本人たちが会社の信用を取り戻すために辞めれません。と本末転倒、意味不明なことをいってましたからね。
結局会長は辞任を表明しましたけど、すでに遅い感が拭えません。この後どういう展開になっていくおか注目していかないといけませんね。